2024.03.28
老後のインプラント治療はホントに悲惨か?メリット・デメリットを解説
老後における歯の健康は生活の質を左右します。インプラントはしたいけど老後はどうなるの?という疑問や、老後にインプラントを受けることへ不安があるのではないでしょうか。この記事を読むことで、老後に受けるインプラント治療のメリット・デメリット、受ける際の注意点について知ることができます。ぜひ参考にしてみてください。
老後にインプラント治療を受けるデメリット
老後にインプラント治療を受けるデメリットは、以下の4つです。
- 外科手術を受ける体力が必要
- 高い費用や期間がかかる
- 治療を受けられないケースもある
- メンテナンスが必要
外科手術を受ける体力が必要
インプラントは外科手術をしますが、入院は必要ありません。この手術による身体への負担は、通常の抜歯とほぼ同程度だと考えられていますが、高齢の患者様の場合、持病や服薬、体力などが問題になることがあります。そのため、一部の患者様はインプラント手術を受けることが難しい場合があります。
高い費用や期間がかかる
インプラントは自由診療です。治療費用や期間は、インプラントを埋め込む本数や部位、顎の骨の状態などによって大きく変わります。さらに治療は段階的に行われるため、何度も通院し、時間をかけて治療する必要があります。高齢の方では特に人工歯根と骨が結合しにくいことがあるため、治療期間が延びることもあるでしょう。
治療を受けられないケースもある
高血圧や糖尿病などの病気があると、治療が難しくなることがあります。しかし、病気があっても、医師の許可を得て検査を受ければ、治療が可能な場合もあります。また、インプラントを埋め込むための顎の骨が十分に厚くない場合は、骨を増やす治療が必要になります。
メンテナンスが必要
インプラント治療を受けたら、定期的に歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。なぜなら、メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎という特有の歯周病にかかるリスクが高まるからです。この病気は、歯茎だけでなく顎の骨まで影響を及ぼし、治療が失敗する主な原因にもなります。
老後にインプラント治療を受けるメリット
老後にインプラント治療を受けるメリットは以下の4つです。
- しっかり噛めるので食事を楽しめる
- 見た目が若々しくみえる
- 認知症などのリスクを下げる
- 会話を楽しめる
しっかり噛めるので食事を楽しめる
入れ歯を使うと、入れ歯と歯茎の間に異物が挟まって痛みを感じたり、食べ物の味があまり伝わらないことがあります。しかし、インプラントなら味や食感を感じながら、しっかりと噛んで食事を楽しめます。なぜなら、インプラントは顎の骨に埋め込まれたチタン製のねじで支えられているため、通常の入れ歯よりも歯茎の上にしっかりと固定されているからです。食事は毎日のことなので、天然歯と同じように噛め、味を感じられるのは大きなメリットではないでしょうか。
見た目が若々しくみえる
入れ歯のように支えるためのフックや不自然な歯ぐきもないため、インプラントは見た目が自然です。また審美性が高く、自身の歯の色に近づけられるため、若々しい印象を持たれることもあります。
認知症などのリスクを下げる
歯が少ないと食べ物を噛む力(咀嚼能力)が落ち、認知症やアルツハイマーになるリスクが高くなるといわれています。口から食べることは視覚、味覚、嗅覚が刺激され、しっかりと噛むことで脳に刺激を与え、認知症の予防にもつながります。そのため、たとえ天然の歯を失っても、入れ歯やインプラントなどの治療で食べる機能を取り戻すことが重要です。
会話を楽しめる
歯を失ったままにしていると発音しづらいこともあります。また、入れ歯を使うと不慣れであったり、不具合があったり、会話しづらいと感じる方もいるでしょう。しかし、インプラントであれば本物の歯に構造が近いため、入れ歯のようにずれる心配もなく、会話を楽しめます。
インプラント治療を老後に受ける際の3つの注意点
インプラント治療を老後に受ける際の注意点は、以下の3つです。
- インプラント治療を専門とした歯科医院を選ぶ
- 持病がある場合はかかりつけ医に相談する
- 治療後もメンテナンスで通院できるか
インプラント治療を専門とした歯科医院を選ぶ
インプラント治療は歯科医師の経験や知識によって差が生じやすい治療法です。治療を安全に行うためには、術前の検査が最も重要です。特に高齢者であると、歯周病や骨粗しょう症によって骨が弱っている可能性があり、見極めが大切です。骨が不足している場合、骨造成などの処置によってインプラント治療が可能になりますが、そのような高度な治療を提供できる歯科医院は限られているため、やはりインプラントを専門とした歯科医院を選ぶことをおすすめします。
持病がある場合はかかりつけ医に相談する
インプラント治療は手術をともなうため、高血圧や糖尿病、心臓病などの持病がある場合、治療のリスクが高まる可能性があります。また、持病の種類によっては、インプラント治療ができない場合もあります。そのため、事前にかかりつけ医に相談してください。
治療後もメンテナンスで通院できるか
毎日のケアだけでなく、治療後も定期的なメンテナンスに通う必要があります。なぜなら、インプラントは天然歯と同じような見た目ですが、歯茎との接合部において汚れがたまりやすく、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病の発症リスクが高まるためです。将来、自動車や自転車の運転が困難になった場合、どのような方法で通院するのかを検討しておくことも大切です。
インプラントと老後についてよくある質問
インプラントと老後についてよくある質問をご紹介いたします。
- 老後にインプラント治療をして悲惨なケースはありますか?
- インプラントは老後どうなりますか?
- インプラントをして、老後に自分で動けなくなった場合どうなりますか?
老後にインプラント治療をして悲惨なケースはありますか?
老後にインプラント治療を受けたからというよりも、インプラントは外科手術をともなう治療であるため、若者でも高齢者であってもリスクが存在します。インプラントのリスクは、手術中のリスクと手術後のリスクの2つに分かれます。詳しい説明は以下のリンクをご覧ください。
インプラントは老後どうなりますか?
インプラントの耐久性は高いですが、適切なケアや定期的な歯科検診が必要です。老化やインプラント周囲の組織の変化により、インプラントに問題が生じる可能性があります。そのため、定期的な歯科検診やメンテナンス、健康管理を通じて、インプラントの状態を維持するための最善の方法を見つけることが重要です。
インプラントをして、老後に自分で動けなくなった場合どうなりますか?
一般的には自宅での介護や施設での介護など介護サービスの利用、身近な家族や友人によるサポート、医療やリハビリテーションを受けることがあります。しかし、個々の状況や健康状態、家族や社会的なサポートの有無などによって異なります。家族や医療専門家と協力しながら、最適な選択肢を検討することが大切です。
老後の生活の質も視野に入れ、まずはインプラント治療が可能か相談
インプラントは高齢者だからといって、特別にデメリットが大きくなるわけではありません。老後のQuality Of Life(生活の質)を考えると、インプラント治療をすることでしっかり噛んで食事を楽しめたり、健康が維持されたり、認知症などのリスクを下げたりするので、前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。
安岡デンタルオフィスでは、インプラント世界一のスペシャリストから指導を受けた経験豊富な歯科医師やスタッフが在籍しています。当院の歯科CTでは、患者様の骨の形状や、神経や血管の位置など様々な情報を精密に把握し、大掛かりな骨移植など幅広い症状に対応可能です。老後のインプラントについて、気軽にご相談ください。